自己啓発
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ひろゆき流「働かない」生存戦略|『あたらしい生き方』が教える“無職”という最強の選択肢

ヒガマツコ

著者:

本書『あたらしい生き方』は、実業家・ひろゆき氏とWebディレクター・ひげおやじ氏が、日本社会に根付く「無職=悪」「働かざる者食うべからず」という固定観念を根底から覆す対談集です。オンラインイベント「天下一無職会」に寄せられた多種多様な無職たちのエピソードを通じ、彼らの生態や意外な強さを分析。過労死やメンタル不全が蔓延する現代日本において、「無職」や「生活保護」を人生の有効なセーフティネットとして捉え直し、戦略的に休むことの重要性を説いています。忙しいビジネスパーソンにこそ、「逃げ道」があることの安心感と、新しい視点を与えてくれる一冊です。

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本書の要点

  • 「無職=悪」ではない:日本は諸外国に比べ、生活保護や無職に対するスティグマ(烙印)が強すぎるが、制度を利用することは国民の正当な権利である。
  • 無職には才能が必要:世間の目を気にせず、時間を持て余すことなく自分の人生を楽しめるのは、ある種の高いスキル(無職の才能)である。
  • 「死ぬくらいなら逃げろ」:過労死や自殺を選ぶくらいなら、プライドを捨てて生活保護や休職制度を利用し、命を守る方が合理的である。
  • 低所得労働からの脱却:無理に低賃金で働く人が減れば、社会は自動化・効率化を迫られ、結果的に国の生産性が上がる可能性がある。
  • 多様な無職のケーススタディ:「天下一無職会」の事例から、戦略的撤退としての無職や、資本家マインドを持つ無職など、多様な生き方が学べる。

なぜ今、ビジネスパーソンに「無職のすすめ」なのか

毎日満員電車に揺られ、終わらないタスクに追われ、責任というプレッシャーに押しつぶされそうになっていませんか?
「仕事を辞めたいけれど、辞めたら生活できない」「キャリアに傷がつくのが怖い」
多くのビジネスパーソンは、こうした恐怖心から、心身の限界を超えて働き続けてしまいます。

しかし、本書でひろゆき氏はこう問いかけます。
「税金を納めていない、もしくは納税額が少なくても、税金による公共サービスを享受するのは国民として当たり前である」

日本では生活保護受給資格がある人のうち、実際に受給しているのはわずか2割と言われています。対してイギリスやドイツではその割合が9割に達することもあります。この差は、「無職であること」「人の税金で暮らすこと」への過剰な罪悪感によるものです。

本書が提示するのは、単なる怠惰のすすめではありません。人生という長いスパンの中で、戦略的に「働かない期間」を持つこと、あるいは「働けなくなっても死ぬことはない」という事実を正しく認識することが、結果として精神的な余裕を生み、より良い人生の選択につながるというメッセージです。

「天下一無職会」に見る、たくましき無職たち

本書の核となるのが、ひろゆき氏らが企画した「天下一無職会」に寄せられたエピソードです。ここには、悲壮感漂う無職ではなく、むしろクリエイティブで、ある種の「勝ち組」感すら漂わせる猛者たちが登場します。

資本家マインドを持つ無職(CASE 10)

例えば、CASE 10の「ユミノ・オーウェル」さん(20歳男性)の主張は圧巻です。彼はマルクスの『資本論』を引き合いに出し、「無職こそが資本家階級であり勝ち組である」と説きます。
労働者は自らの労働力を商品として売るしかないのに対し、無職(特に生活保護受給者やニート)は、国民や親を働かせている「資本家」であるという論理です。
さらに彼は、「足るを知る者は富む」という老子の言葉を引用し、際限のない欲望と競争に晒される労働者よりも、現状に満足している無職の方が精神的に豊かであると断じます。
最後に「私は“上”で待っている」と締めくくる彼のマインドセットには、ひろゆき氏も「久しぶりにいい文章」「大好物」と絶賛しています。

蟻を観察して平穏を得る無職(CASE 03)

また、CASE 03の男性のエピソードも示唆に富んでいます。彼は貯金を切り崩しながら無職生活を送る中で、7,000円の「蟻の観察キット」を購入しました。
日々ダメ人間になっていく自分への不安と戦いながら、無心に働く蟻の姿を「神の視点」で見下ろすことで、なんとか精神の均衡を保っているといいます。
これに対し著者は、「蟻のように働く会社員を上から見ているようなもの」と分析します。忙殺される日々の中で視点を変え、自分を客観視する時間を持つことの重要性(あるいは皮肉)が感じられるエピソードです。

計画的専業主夫による「完全犯罪」(CASE 15)

CASE 15の男性は、銀行員時代に培った財務管理能力を駆使し、妻の給料を管理しつつ、5年がかりで計画的に「無職(専業主夫)」の座を勝ち取りました。
妻が仕事と育児で疲弊したタイミングを見計らい、「俺が起業して家事と育児をやるよ」と提案。妻に感謝されながら堂々と退職し、実際には起業などせず、妻の稼ぎで悠々自適に暮らしています。
ひろゆき氏はこれを「能力値の高いクズ」と評しながらも、その計画性と実行力を高く評価しています。「無職になりたい」という強烈なモチベーションが、高いスキルと結果を生み出した好例と言えるでしょう。

「逃げ道」があるからこそ、人は挑戦できる

真面目な人ほど、「休むこと」=「ドロップアウト」と捉えがちです。しかし、本書では「バカンスの必要性」についても言及されています。

ヨーロッパでは1ヶ月程度の長期休暇(バカンス)をとるのが当たり前です。それでも社会が回っているのは、仕事が属人化しない仕組みがあるからです。一方、日本では「自分が休んだら周りに迷惑がかかる」「席がなくなる」という恐怖から休めません。

ひろゆき氏は、うつ病になってまで働く日本の現状に警鐘を鳴らします。
「うつ病になるのは、『ここしかないんだ』と考えてしまう人。だから、休める選択肢は容易に取れるべきなんだよね」

もし今の仕事で精神が摩耗しているなら、まずは「休職」というカードを切る。それでもダメなら「失業保険」をもらいながら少し休む。最悪の場合でも「生活保護」がある。
このように、何重ものセーフティネットが自分の背中にあると知っているだけで、ビジネスパーソンのメンタルは強くなれます。
「嫌なら辞めても生きていける」と思えるからこそ、逆に今の仕事に対して過度なプレッシャーを感じずに、リラックスしてパフォーマンスを発揮できることもあるのです。

戦略的無職期間が「情報の格差」を生む

本書の中で特にビジネスパーソンにとって重要な視点は、「無職(暇な時間)は情報収集の最大の武器になる」という点です。

忙しい会社員は、社内の情報や業界の常識には詳しくても、外の世界の新しい動きには疎くなりがちです。一方で、時間のある「無職」は、ネット上の膨大な情報から新しいトレンド(例えば黎明期の仮想通貨や、新しい副業の形など)をいち早くキャッチアップできます。

ひろゆき氏は、失業保険をもらっている期間などを利用して、海外へ行くことを推奨しています。
「日本のことしか知らない人と、海外を見てきた人では情報の格差が圧倒的に広がる」
現地に行ってみないと分からない「価格差」や「ビジネスチャンス」に気づけるのは、時間がある人だけの特権です。

ただ漫然と休むのではなく、次のステップのための「仕込み」期間として無職タイムを活用する。
そう考えれば、キャリアの空白期間は決してマイナスではなく、人生のポートフォリオを豊かにするための投資期間になり得ます。

まとめ:自分の人生を「他人軸」で生きないために

本書を通じて一貫しているのは、「他人の目や世間の常識にとらわれず、自分の幸せを定義しよう」というメッセージです。

「同年代より年収が低い」「大企業を辞めたら負け組」
こうした比較は、終わりのない競争を生み、心を貧しくします。
CASE 10の彼が言ったように、「足るを知る」ことができれば、年収が低かろうが無職だろうが、精神的には「富める者」になれるのです。

もちろん、明日すぐに会社を辞めて無職になれ、ということではありません。
しかし、「いざとなったら、このレールから降りても大丈夫」という知識とマインドセットを持っていることは、不確実な現代を生き抜くための最強の武器になります。

「働かないこと」への罪悪感を捨て、自分の人生の手綱を自分で握り直す。
『あたらしい生き方』は、凝り固まったビジネスパーソンの価値観を解きほぐし、肩の荷をふっと下ろしてくれる、劇薬のような一冊です。

もしあなたが今、仕事の重圧に押しつぶされそうなら、一度立ち止まって、本書に登場する愉快な無職たちの生き様を覗いてみてください。きっと、「まあ、こんな生き方もありか」と、救われた気持ちになるはずです。

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ABOUT ME
ブックロウ
ブックロウ
王立図書館の司書
はじめまして、管理人の「ブックロウ」です。まるで物語に出てくるフクロウのように、夜な夜な本を読みふけるのが私のライフワーク。特に、仕事や人生のヒントが詰まったビジネス書・自己啓発書には目がありません。「本を読む時間はないけど、知識はアップデートしたい…」そんな悩めるあなたの為に、私が代わりに本を読み、明日からすぐ使える実践的なポイントや成功のエッセンスを分かりやすく解説します。千葉県東松戸のカフェでこのブログを書いていることが多いので、もし見かけたら気軽に声をかけてくださいね。皆さんの自己成長をサポートできることを、心から楽しみにしています。
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