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成長を阻害するブレーキの外し方とは? 成長マインドセットでビジネスを加速させる方法

ヒガマツコ

この記事では、吉田行宏氏の著書『成長マインドセット』を基に、忙しいビジネスパーソンが「成長できない」悩みから抜け出し、持続的な成長を実現するための考え方と具体的な方法を解説します。

多くの人が成長したいと願いながらも、無意識のうちに「ブレーキ」を踏んでしまっています。本書で紹介される「アイスバーグモデル」を通して成長の本質を理解し、成長を妨げる「悩みブレーキ」と「大きな子供ブレーキ」の存在を知り、それらを外す方法を学びます。

さらに、成長を加速させる「自分理念・自分軸アクセル」と「正しく強い動機アクセル」についても解説。本書の主人公・山田さんの経験や、彼が出会う様々な人々の事例を交えながら、具体的な行動変容につながるヒントを提供します。この記事を読むことで、自分自身の成長はもちろん、部下やチームの成長をサポートするための新たな視点が得られるでしょう。

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成長とは何か? – アイスバーグモデルで本質を知る

「最近、成長が止まっている気がする…」「どうすればもっと成長できるのだろう?」

多くのビジネスパーソンが抱えるこの悩み。本書の主人公である中堅社員の山田さんも、上司から「成長が滞っている」と指摘され、「成長って何だっけ?」と自問自答するところから物語は始まります。

成長と聞くと、私たちはつい「できなかったことができるようになること」「スキルアップすること」といった、目に見える変化を想像しがちです。しかし、本書では成長の本質を捉えるために「アイスバーグ(氷山)モデル」という考え方を紹介しています。

氷山は、水面から見えている部分は全体のほんの一部で、水面下にはるかに大きな氷の塊が隠れています。これと同じように、私たちが目にする「成果」や「結果」は氷山の見える部分に過ぎません。その成果を生み出している水面下には、大きく分けて3つの層が存在します。

  1. 能力・スキル: 知識や技術など、比較的目に見えやすい部分。
  2. ふるまい・習慣・行動: 日々の行動パターンや習慣。スキルがあっても行動が伴わなければ成果には繋がりません。
  3. 意識・想い・人生哲学: 最も深い部分にある、価値観、信念、考え方、物事に対する姿勢など。

多くの人は、成果を出すために手っ取り早く「能力・スキル」を身につけようとしがちです。しかし、土台となる「ふるまい」や「意識」が伴っていなければ、スキルだけを磨いても望むような成果は得られません。 例えば、素晴らしい営業スキルを持っていても、顧客への感謝の気持ち(意識)がなく、横柄な態度(ふるまい)を取っていては、長期的な成果には繋がらないでしょう。

本当の意味での成長とは、このアイスバーグ全体をバランス良く大きくしていくことなのです。プロ野球選手と草野球選手の違いを考えてみてください。スキルはもちろんですが、野球に対する想いや情熱(意識)、日々の練習や体調管理(ふるまい)といった水面下の部分の大きさとバランスが、見える成果の差となって現れているのです。

まずは、自分のアイスバーグがどのような形をしていて、どの層をどのように大きくしていきたいのかを意識することが、成長への第一歩となります。

なぜ成長できないのか? – 成長を阻害する2つのブレーキ

アイスバーグを大きくしようとしても、なかなかうまくいかないことがあります。それは、私たちが無意識のうちに「成長のブレーキ」を踏んでしまっているからです。本書では、成長を阻害する主なブレーキとして2つのタイプを挙げています。

ブレーキ1:悩みブレーキ

「給料が上がらない」「正当に評価されていない」「今の仕事は自分に向いていないのでは?」
こうした悩みや不満は、アクセルを踏みながら同時にブレーキを踏んでいるような状態を生み出します。目的地(目標達成や成長)に向かおうとしているのに、ブレーキによって前進する力が削がれてしまうのです。

本書の主人公・山田さんの部下である佐藤さんも、まさにこの「悩みブレーキ」を踏んでいました。給与や評価、人間関係への不満から「環境を変えれば解決するはず」と考え、転職を繰り返そうとしていました。

この「悩みブレーキ」を外すためには、5つのアプローチが有効です。

  1. ブレーキの存在を知る: まずは、自分が悩みによってブレーキを踏んでいる状態にあることを自覚することが重要です。「自分は悩んでいるんだ」「これが成長を妨げているブレーキなんだ」と認識するだけで、変化の第一歩となります。
  2. ブレーキを踏まない覚悟: 認識したら、「このブレーキは踏まない方が自分のためだ」と覚悟を決めることが大切です。とはいえ、一生ブレーキを踏まないというのは難しいかもしれません。そこで本書では「まずは2年間、今の道でブレーキを踏まずに進んでみる覚悟をしませんか?」と提案しています。期間限定であれば、覚悟を決めやすくなります。多くの人が「環境を変えれば解決する」と思いがちですが、ブレーキを踏む思考パターンが変わらなければ、環境を変えても同じことを繰り返す可能性が高いのです。
  3. 他責にしないは100% (当事者意識100%): 問題が起こったとき、「自分にも責任はあるけど、〇〇のせいだ」と考えてしまうことはないでしょうか? この「他責」の割合が大きいほど、思考停止に陥り、改善への努力をしなくなります。責任を全て負うという意味ではなく、「この状況に対して自分にできることは何か?」という当事者意識を100%持つことが、成長の機会を増やし、悩みを減らす鍵となります。「損得」で考えるのではなく、「自分の成長のために何ができるか」という視点を持つことが大切です。
  4. 結果は選択できないが、行動は選択できる: 私たちは未来の結果を選ぶことはできません。宝くじで当たりくじを指定して買えないのと同じです。しかし、どのような行動をとるかは自分で選択できます。 選択できない結果を過剰に心配して悩む(ブレーキを踏む)のではなく、「今できる最善の行動は何か?」に集中することが重要です。結果はどうあれ、ベストを尽くしたという行動への自信が、後悔や悩みを減らし、次の行動へのエネルギーとなります。
  5. 関心の輪と影響の輪: 私たちの関心事には、自分でコントロールできる「影響の輪」の内側にあるものと、自分ではどうにもできない「関心の輪」の外側にあるものがあります(『7つの習慣』より)。例えば、「日本の税金が高い」と悩むのは「関心の輪」の問題です。自分で変えられないことで悩んでもエネルギーの無駄遣いになってしまいます。自分の時間とエネルギーを「影響の輪」に集中させることで、悩みは減り、主体的な行動が増えていきます。部下の悩みが、給与体系や他部署の噂など、本人の「影響の輪」の外にある場合は、そのことを認識させ、本人がコントロール可能な行動に焦点を当てるようサポートすることが有効です。

これらの5つの方法を意識し実践することで、「悩みブレーキ」は徐々に外れていきます。山田さんも、これらの学びを通して部下の佐藤さんと向き合い方を変え、佐藤さんの成長を後押しすることができました。

ブレーキ2:大きな子供ブレーキ

もう一つのブレーキは、人間関係の中で現れやすい「大きな子供ブレーキ」です。これは、見た目は大人なのに、感情や思考の一部が子供のままで、自己中心的になったり、他者を理解しようとしなかったり、過剰に反応したり、頑固になったり、逆に優柔不断になったりする状態を指します。

本書に出てくるもう一つの音楽サークルのメンバーたちは、まさにこのブレーキを抱えていました。

  • 自分のプロデビューしか考えないGさん(自己中心的)
  • 自分の主張を曲げないHさん(頑固、他者不信)
  • 注意されると過剰反応し言い訳するIさん(トラウマ、回避)
  • 自分の意見がなく指示待ちのJさん(優柔不断、依存)

このような「大きな子供」の部分は、誰しもが持っている可能性があります。そして、このブレーキが発動すると、負の感情(怒り、恐れ、見栄など)に振り回され、建設的なコミュニケーションや論理的な判断ができなくなり、成長や人間関係構築の大きな妨げとなります。

このブレーキを外す(=大きな子供を育てる)ためには、まず自分や相手の中にある「大きな子供」の存在を認識することが第一歩です。そして、その存在を否定するのではなく、「自分はもう子供ではない」と自覚し、意識的に大人としての対応を選択していく必要があります。

相手の「大きな子供ブレーキ」に対しては、愛情を持って接し、育ててあげるという意識が大切です。時には、相手の成長のために、あえて厳しい指摘(鼻を折る)が必要な場合もありますが、それも相手への愛情と信頼関係が前提となります。

ただし、他人のブレーキを外すのは非常に困難です。特に、上司や取引先など、自分からの影響力が小さい相手の場合は、「変えられないかもしれないが、相手を理解しておく」だけでも、自分の心の負担は大きく減ります。ここでも「結果は選択できないが、行動は選択できる」の考え方が役立ちます。相手を変えようと過度に期待するのではなく、自分がどのような態度で接するか、という行動を選択することに集中しましょう。

どうすれば成長できるのか? – 成長を促進する2つのアクセル

ブレーキを外すことと同時に、成長を力強く後押しする「アクセル」を踏むことも重要です。本書では2つのアクセルが紹介されています。

アクセル1:自分理念・自分軸アクセル

これは、個人のミッション(使命)、ビジョン(目標)、バリュー(価値観・行動指針)といった、人生や仕事におけるブレない軸のことです。

会社の経営理念や行動指針に対して「押し付けられている」と感じてしまうことがあるかもしれません。しかし、個人の人生においても、「こういう人間でありたい」「これを大切にしたい」という想いや、「壁にぶつかった時に支えになる言葉」は、無意識のうちに私たちの行動を方向づけ、困難を乗り越える力(アクセル)となっています。

本書のマスターが大切にしている「人生我以外皆師なり」という言葉のように、自分なりの理念や軸を持つことが、迷いを減らし、主体的な成長を促します。会社の理念と個人の理念が完全に一致する必要はありませんが、「もしかしたら重なる部分があるかもしれない」「補完し合えるかもしれない」と考えてみることで、仕事への向き合い方が変わり、成長のシナジーが生まれる可能性があります。友人の伊藤さんが、会社の理念と自身の原体験を結びつけ、仕事への意欲を取り戻したように、自分軸と会社の方向性を接続する視点を持つことが大切です。

アクセル2:正しく強い動機アクセル

「何のために働くのか?」「なぜ成長したいのか?」という動機の質と強さも、成長の重要なアクセルとなります。本書では、仕事への期待(動機)を4つのゾーンに分類しています。

  • Aゾーン(物質的/自己): 給与、役職、モノなど
  • Bゾーン(精神的/自己): やりがい、自己成長、達成感など
  • Cゾーン(物質的/他者): 部下の昇給・昇格、顧客の業績向上など
  • Dゾーン(精神的/他者): 部下や仲間の成長、顧客満足、社会貢献など

どのゾーンを重視するかに正解はありませんが、動機の種類と強さが、仕事への取り組み方や成長の度合いに影響を与えます。 3人の石工の話を思い出してください。同じ仕事をしていても、「お金のため(Aゾーン)」「腕を磨くため(Bゾーン)」「後世に残る教会を作るため(Dゾーン)」と、動機によって仕事の意味合いは全く異なっていました。

自分の動機がどのゾーンにあり、どれくらいの強さなのかを客観的に把握することが重要です。そして、特にCゾーンやDゾーンといった他者貢献や社会貢献に繋がる動機を持つことは、より大きなエネルギーと持続的な成長を生み出す可能性があります。マスターが「次の世代の成長をサポートしたい」という強い動機(Dゾーン)を持っていることが、彼の深い洞察力や行動力の源泉となっているように、「誰かのために」という想いは、私たちをより強く、大きく成長させてくれるのです。

まとめ:成長の地図を手に、未来へ

本書『成長マインドセット』が示す「成長の地図」は、以下の5つの要素で構成されています。

  1. アイスバーグの成長(中心): 成果だけでなく、ふるまいや意識を含めた全体をバランス良く大きくする。
  2. 悩みブレーキ(阻害要因1): 悩みが行動を妨げるブレーキ。5つの方法で外していく。
  3. 大きな子供ブレーキ(阻害要因2): 未熟な感情が成長と人間関係を阻害するブレーキ。自覚と育成で乗り越える。
  4. 自分理念・自分軸アクセル(促進要因1): ブレない価値観や目標が成長を方向づける。
  5. 正しく強い動機アクセル(促進要因2): 働く意味や目的意識が成長のエネルギーとなる。

真の成長とは、この地図を理解し、日々の仕事や生活の中でブレーキを外し、アクセルを踏みながら、アイスバーグ全体をバランス良く大きくしていくプロセスそのものです。

本書で語られる原理原則は、知識として「知っている」だけでは不十分です。「体験学、習うより慣れろ」という言葉通り、主体的に実践し、体験を通して自分のものにしていくことが何よりも重要です。

今日からできることとして、以下の3つを意識してみてはいかがでしょうか。

  • アイスバーグの分割: 大きな目標だけでなく、日々の業務一つひとつをアイスバーグとして捉え、意識・ふるまい・スキルの観点から改善を試みる。
  • 主体的体験学: 学んだことをすぐに実践してみる。失敗しても、そこから学びを得て次に活かす。
  • 定期点検: 定期的に本書を読み返したり、自分のアイスバーグの状態を振り返ったりする時間を持つ。

あなたの人生の経営者は、あなた自身です。本書で示された「成長の地図」を手に、無駄なブレーキから解放され、力強くアクセルを踏み込み、あなただけの素晴らしい未来を創造していきましょう。

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