哲学
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アーノルド・ベネット著『「自分は自分」でうまくいく 最強の生き方』解説:後悔しない人生を送るための究極ガイド

ヒガマツコ

本書は、20世紀イギリスの小説家アーノルド・ベネットによる人生哲学書『How to Make the Best of Life』の翻訳版です。貧しい家庭に生まれながらも、親の期待から外れ、自らの力で成功を掴んだベネット自身の経験に基づき、「他人の期待を満たすためではなく、自分自身のために生きる」ことの重要性を説いています。本書は、限られた時間の中で後悔なく、自分らしく「最強に生きる」ための具体的なヒントを、時間の使い方、人間関係、仕事、社会との向き合い方など、あらゆる側面から提示しています。約100年もの間、世界中で読み継がれてきた人生のバイブルであり、現代を生きる私たちにとっても、より豊かで充実した人生を送るための指針となるでしょう。

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目次
  1. 本書の要点
  2. 他人の期待を満たすために生きてはいけない──自分本位になれば、人生は楽しい
  3. 心の不安から自由になる──二つの法則で、人間関係は豊かになる
  4. 限られた自分の時間を最高に活かす──自分メンテナンスで、最強の人生をつかむ
  5. つねに「万一」に備える──気くばりと熱意で、仕事は成功する
  6. 世の中をよりよく生きる──賢くなれば、幸せになれる

本書の要点

  • 自分の本能を理解し、それに従うことの重要性:生まれ持った気質や性格は変えられないため、まずは自分自身を深く理解し、本能を満足させることが幸せへの第一歩である。
  • 他人の期待に振り回されず、自分自身の価値観で生きる:「親の期待」や社会的な成功といった幻想に惑わされず、ありのままの自分でいられる道を選ぶことが、才能を最大限に発揮する鍵となる。
  • 人間関係を豊かにする二つの法則:相手の立場に立って考える「想像力」と、先入観を持たずに相手を理解しようと努める「決めつけない」姿勢が、良好な人間関係を築く上で不可欠である。
  • 心の不安をコントロールし、自分をメンテナンスする:不安の8割は実際には起こらないことを理解し、心の悪習慣を断ち切ることで、心の平穏を保ち、自分自身をより良い状態に保つことができる。
  • 社会と積極的に関わり、賢く生きる:社会の一員としての自覚を持ち、他者のために行動することで、自己中心的思考から脱却し、真の充実感と幸福感を得られる。

他人の期待を満たすために生きてはいけない──自分本位になれば、人生は楽しい

まずは自分の本能を満足させろ

人生を心から楽しむためには、自分の本能を満足させることが何よりも大切です。理性も重要ですが、それだけに頼っていては退屈で想像力のない人間になってしまいます。人は誰しも生まれつき異なる本能を持っており、それは一生変わることはありません。自分の本能を否定し、他人に合わせて生きようとすると、人生そのものがうまくいかなくなります。

例えば、著者のアーノルド・ベネット自身、父親から法律家になることを期待されていましたが、その道では成功できませんでした。しかし、父の事務所を飛び出し、ロンドンで速記者として働きながら小説を書き始め、やがて作家として大成しました。これは、彼が自分の本能に従い、自分に合った道を選んだ結果と言えるでしょう。

生まれつきの気質や性格は変わらない

ベネットの言う「本能」とは、持って生まれた気質や性格のことです。リーダーに向いている人もいれば、サポート役に向いている人もいます。情熱的な人もいれば、冷静な人もいます。これらの気質は変えられないため、自分自身をよく理解し、受け入れることが重要です。

「皆が皆、ナポレオンのようだったら、この世は死体だらけになってしまう」とベネットは言います。多様な個性があるからこそ、社会は成り立つのです。

自分の欲望を「上手に手なづける」秘訣

本能は強力ですが、野放しにしていいわけではありません。本能の赴くままに行動すれば、自分も他人も不幸になる可能性があります。大切なのは、本能を手なずけることであり、そこで必要になるのが理性です。

例えば、他人の物を見て「欲しい」と思っても、社会のルールや理性が働くことで、実際に行動に移すことはありません。このように、理性と本能のバランスを取ることが重要です。

他人の期待にふりまわされるな

特に若い頃は、親や周囲の期待に応えようとして、自分に合わない道を選んでしまうことがあります。「野心を持つのはすばらしい!」という幻想に惑わされ、本来の自分を活かせない仕事を選んでしまうのは、非常にもったいないことです。

父親が弁護士だからといって、子どもも弁護士になる必要はありません。もし子どもがエンジニアになりたいのであれば、その気持ちを尊重すべきです。他人の期待に応えるために自分を偽ることは、結局自分自身を苦しめることになります。

「権力、金、学歴」への執着が人生をダメにする

野心家は、権力、金、学歴といったものに執着しがちです。しかし、これらを追い求めるあまり、人生の他の側面を見失ってしまうことがあります。目標達成に固執しすぎると、習慣の奴隷となり、人生を楽しむことを忘れてしまいます。

ようやく目標を達成したときには、すでに年老いており、新しい人生を楽しむ気力も体力も残っていないかもしれません。「はぐれ犬」のように、自由になっても何をすればいいかわからなくなってしまうのです。

無駄があるから人生は楽しい

完璧を求めるあまり、一切の無駄を排除しようとする人がいます。しかし、ベネットは「時間も、お金も、脳みそも、ある程度の無駄はむしろ貴重で、人生を楽しむためには必要不可欠」だと言います。無駄は「楽しみ」であり、目標とは無縁の個人的な楽しみがあってこそ、人生は豊かになるのです。

若い頃に楽しむことを知らずに過ごすと、年を取ってから後悔することになります。仕事だけでなく、リラックスできる趣味や楽しみを見つけることが大切です。

心の不安から自由になる──二つの法則で、人間関係は豊かになる

人生を豊かにする二つの法則

他者と関わり、良い関係を築けない限り、人生は豊かになりません。人間関係を豊かにするための大原則は二つあります。

残酷な子ども──人間関係をゆがませるもの

一つ目は、相手の立場に立って考える「想像力」を持つことです。子どもが虫の足をちぎって遊ぶのは、虫の気持ちがわからないからです。もし自分が虫だったらどう感じるか、という想像力が欠けているのです。

この想像力の欠如は、若者だけでなく、大人にも見られることがあります。相手の気持ちを真剣に考えることで、多くのトラブルは回避できます。

人と上手につきあうポイント

二つ目は、「決めつけない」こと、つまり先入観を持って相手に接しないことです。「理解とは許しだ」とよく言われますが、ベネットは理解と許しは別物だと考えています。全てを理解することはできなくても、理解しようと努力し、相手を批判したり裁いたりしないことが重要です。

「あの人はああいう人だから最低だ」と決めつけるのではなく、なぜそのような行動を取るのか、背景にある事情を想像してみる努力が必要です。

八十%の不安は起こらない

多くの人は、常に何かしらの不安を抱えて生きています。しかし、ベネットは「人生についてあれこれ思いを巡らせても、八十%の不安は的中しない」と断言します。取り越し苦労は意味がなく、むしろ幸せを蝕んでしまいます。

実際に起きもしない悲劇を頭の中で想像して心を乱すのではなく、今ある幸せに目を向けることが大切です。

心の悪習慣を断ち切るには

不安は心の悪習慣であり、断ち切ることができます。そのための方法として、ベネットはフランスの心理学者の研究を引用し、二つの方法を提示しています。

一つ目は、自分を脅迫するのではなく、「あなたならできるよ」と自分を説得し、勇気づけること。

二つ目は、心を一つのことに集中させること。例えば、「Xなんて忘れてしまえ」と繰り返し唱えることで、他のことを考える余裕をなくし、不安を打ち砕くことができます。

限られた自分の時間を最高に活かす──自分メンテナンスで、最強の人生をつかむ

心と体のメンテナンスを怠るな

最高の人生を送るためには、心と体の両方を健康に保つことが不可欠です。心と体は密接に関連しており、どちらかの調子が悪ければ、もう一方も正常に機能しません。

ブレーキとアクセルの場所を知らずに車を運転するようなもので、心と体を正しく理解し、適切にメンテナンスすることが、最高の人生に近づく第一歩です。

最高の人生に近づくために必要なこと

最高の人生に近づくためには、学ぶことで自分の才能を伸ばし、生計を立てる術を知ることも重要です。そして何より、自分自身が楽しむことです。学んだことを活かせず、生活のためだけに嫌な仕事をするのでは意味がありません。

また、社会の一員として、社会の仕組みや課題について学び、自分の意見を持ち、それを伝えられるようになることも大切です。

学校の勉強だけが勉強ではない

学びは学校だけで終わるものではありません。卒業後も、夜間学校や独学など、やる気さえあればいくらでも学ぶことができます。大切なのは、自分から進んで知ろうとする姿勢です。

「じっと座っているだけが勉強ではない。初めて夕日や朝日を見たのと同じような目で世界を見ることこそが、自分で学ぶ出発点だ」とベネットは言います。

人生は短いもの?長いもの?

人生は短くも長くもなく、ちょうどいい長さです。そして、賢く生きれば長く感じられるようになっています。狭い視野ではなく広い視野で生きたほうが、人生は豊かになります。

知識ばかりを詰め込んで頭でっかちになるのではなく、人生の面白さに気づき、どんな人生にも価値があると思えるようになることが、本当の学びの目的です。

つねに「万一」に備える──気くばりと熱意で、仕事は成功する

仕事への熱意がその人の価値を決める

初めて社会に出た若者は、給料が労働に見合っていないと感じ、最低限の仕事しかしない傾向があります。しかし、ベネットは、給料以上に働くことで、お金には代えられないものを手にしていると言います。

仕事への熱意と惜しみない努力は、たとえ要領が悪くても、その人の価値を高めます。そのような社員は、経営者からも重宝され、着実に安定した地位を築いていくことができます。

働くことは長い目で見ろ

仕事の成果は、すぐには現れません。10年、あるいはそれ以上の時間をかけて初めて評価されるものだと考えるべきです。若い頃の努力は、将来必ず報われます。

今、楽な仕事で高い給料をもらっているように見える上司も、過去にそれ相応の努力を積み重ねてきたのです。

「貯金」──誰にも奪われない武器を持て

初めて自分の力で暮らし始める若者は、必ず貯金をすべきです。貯金は、誰にも奪えない武器であり、万が一の事態に備えるための護身用の銃のようなものです。

たとえ微々たる額でも、貯める習慣を付けることが重要です。蓄えがあれば、病気やケガ、失業といった不測の事態にも対応でき、心に余裕が生まれます。

お金が自信につながる

ある程度落ち着いた生活ができるだけの金があってこそ、心の余裕が生まれます。そして、きちんと金を稼いで管理できると、自信がつきます。

物質的な豊かさを毛嫌いするのではなく、生きていく上で必要なものとして捉え、適切に管理することが大切です。

世の中をよりよく生きる──賢くなれば、幸せになれる

心の中を戦争状態にしない

「どうして皆ぼくのために動いてくれないんだ?」と不満を抱く若者がいます。しかし、社会は自分を中心に回っているわけではありません。自己中心的な考え方をしている限り、本当の幸せは得られません。

自分の周りの人々は、心が広く、責任感があり、誠実な人間であると信じることが大切です。相手を尊重し、広い心で接することで、人間関係はより良いものになります。

なぜ自分以外の人のために生きようとしないのか

自分以外の人のために生きようとしないのは不自然なことです。私たちは皆同じ人間であり、支え合って生きています。社会の一員として、他者のために行動する義務があるのです。

社会への無関心は、私たちの前進を妨げ、個人としての存在意義をも揺るがしかねません。

動くために大切な三つの理由

社会のために動くことには、三つの大切な理由があります。

一つ目は、自分を客観的に見られるようになること。 自分以外の人のために動くことで、「この世は自分を中心に回っている」という考え方を変えることができます。

二つ目は、社会のルールを知り、自分の望む社会を実現できること。 社会に参加することで、自分の経験や知識を役立て、社会を変える力を実感できます。

三つ目は、本当の意味で生きられるということ。 人生から逃げずに困難に立ち向かい、積極的に行動することで、人生を心から楽しむことができます。

「賢く生きる」とはどういうことか

本当に賢い生き方とは、人生をめいっぱい楽しむことです。自分が持っている力を存分に発揮し、たくさんのことに心を動かされながら、死ぬまで今日という日を楽しむことです。

心惹かれることは多いほうがよく、悩むことがあっても、退屈で死にそうになるよりよほど良いとベネットは言います。立ち止まらずに行動し続ける人が、最終的に人生を心から楽しめるのです。

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地元・千葉県東松戸に住み、東松戸をこよなく愛するヒガマツコが運営するサイト「Bookinfo」では、ビジネス書や自己啓発書を中心に書籍の要点を効率的に紹介しています。学生時代から読書に親しみ、短時間で要点をつかむスキルを磨いてきました。このブログでは、ビジネスや自己成長に役立つ本の重要なエッセンスを凝縮し、実践的なヒントや成功事例とともにわかりやすく解説。忙しい毎日でも効率よく学べるよう工夫した要約記事を日々更新しています。私のミッションは「本から得られる知識を通じて、より良い人生と成功をサポートすること」。趣味は飲食店巡りと運動で、新たな知識や視点を取り入れるのがモットー。今後は動画やSNSとも連携し、多くの方に読書の楽しさとビジネススキル向上の機会を届けるべく、日々新たな挑戦を続けています。
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