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仕事で成功する人の「自分の磨き方」とは?オリソン・マーデンの普遍的哲学を100年後の今、読み解く

ヒガマツコ

著者:

100年以上前、ナポレオン・ヒルやデール・カーネギーといった自己啓発の巨匠たちに多大な影響を与えた「成功哲学の祖」オリソン・マーデン。彼が遺した膨大な著作から珠玉の名言を抜粋し、現代人にもわかりやすく超訳した一冊が『最高の人生を約束する 自分の磨き方』です。

本書は、孤児という逆境から独学で大学を卒業し、実業家、そして作家として大成功を収めたマーデンの実体験と哲学が凝縮されています。

この記事では、本書の8つの章立てに沿いながら、特に現代の忙しいビジネスパーソンが直面するキャリア、人間関係、マインドセットの課題に焦点を当て、マーデンの普遍的な「自分の磨き方」を具体的な名言と共に深く解説します。時代が変わっても色褪せない「成功の本質」がここにあります。

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本書の要点

  • 自分の可能性と信念の力: 人間の内には計り知れない力が眠っており、それを信じ抜く「信念」こそが成功の原動力である。
  • 粘り強い努力と時間の活用: 才能よりも「あともう少し粘る」継続性が成否を分ける。また、わずかな「すき間時間」を自己投資に使うかが、一流と二流の違いを生む。
  • 人間関係と利他の心: ビジネスの成功は人間関係にかかっている。礼儀正しさ、人を励ます力、そして自分の利益より他人の幸福を願う「利他の心」が人望を集める。
  • 思考の現実化(引き寄せの法則): ポジティブな思考、楽観主義、そして「できる」という口癖が、成功と繁栄という現実を引き寄せる。
  • 人生と仕事を楽しむ姿勢: 楽しみを未来に延期せず「今ここで楽しむ」こと、そして仕事そのものに喜びを見いだすことが、最高の幸福と成果に繋がる。

100年以上読み継がれる「成功哲学の祖」オリソン・マーデンとは?

「オリソン・マーデン」という名前を聞いて、すぐにピンとくる人は少ないかもしれません。しかし、ナポレオン・ヒル、デール・カーネギー、松下幸之助、稲盛和夫といった、歴史に名を刻む成功者たちが影響を受けたと聞けば、その偉大さがわかるはずです。

オリソン・スウェット・マーデン(1848年頃~1924年)は、まさに「自己啓発の先駆者」と呼ばれるアメリカの成功哲学者です。

彼の人生は、壮絶な逆境から始まります。3歳で母を、7歳で父を亡くし、孤児となったマーデンは、奉公先を転々としながら苦学しました。彼が17歳の時、奉公先の屋根裏部屋で一冊の本と出会います。それが、サミュエル・スマイルズの『自助論(Self-Help)』でした。

この本に雷に打たれたような感銘を受けたマーデンは、「いつか自分も素晴らしい本を書いて人びとを励まそう」と決意します。

その決意を胸に、彼は猛然と勉強に励み、ボストン大学で文学修士、ハーバード大学で医学博士、さらにボストン大学で法学士の学位まで取得します。卒業後はホテル経営者として成功を収め、40代でついに幼い頃の夢であった作家へと転身しました。

1894年に刊行した『Pushing to the Front(邦題:立身策、のちに前進あるのみ)』は世界中で大ヒット。日本でも明治時代に150万部を超えるベストセラーとなりました。

かの夏目漱石も『坊っちゃん』の中で、「フランクリンの自伝だとか『プッシング、ツー、ゼ、フロント』だとか、おれでも知ってる名を使うがいい」という一節を書いているほど、当時の日本でマーデンの本は「誰もが知る成功のバイブル」だったのです。

本書『最高の人生を約束する 自分の磨き方』は、そんなマーデンが遺した約50冊の著作から、現代の私たちに最も響く「成功哲学のエッセンス」を凝縮した名言集です。

なぜ今、マーデンの哲学がビジネスパーソンに必要なのか?

100年以上も前の哲学が、なぜ今、多忙を極める現代のビジネスパーソンに必要なのか?

それは、私たちが生きる現代が、技術革新が激しく、将来の予測が困難な「不安の時代」だからです。小手先のビジネススキルやトレンドの知識だけでは、荒波を乗り越えることはできません。

マーデンの言葉は、時代が変わっても決して変わらない「人間の本質」と「成功の原理原則」 を突いています。

それは、テクニックではありません。キャリアを築き、人生を豊かにするための揺るぎない「心の持ち方(マインドセット)」です。本書で語られる「自分の磨き方」は、AIに代替されない人間としての「核」を鍛える方法論とも言えます。

本書は8つの章で構成されています。
Ⅰ 自分の可能性を信じる
Ⅱ 粘り強く努力する
Ⅲ 人間関係を大切にする
Ⅳ 引き寄せの法則を活用する
Ⅴ 人生を楽しむ
Ⅵ 信念を持つ
Ⅶ 幸運をつかむ
Ⅷ 愛情と友情をはぐくむ

ここからは、特にビジネスパーソンに深く関わるテーマをピックアップし、マーデンの珠玉の言葉と共にその真髄に迫ります。

第1章:すべての基本「自分の可能性を信じる」

マーデン哲学の根幹は、自分自身への絶対的な信頼です。彼は、多くの人が自分を過小評価していると指摘します。

001 とてつもない力
人間の奥底には大きな力が眠っている。
本人ですら驚くような、とてつもない力だ。
自分にそんな力があるとは思っていないかもしれないが、
その力を覚醒させれば、人生は必ずや劇的に好転することだろう。

私たちは無意識のうちに「自分には無理だ」「この程度だろう」と限界を設けてしまいがちです(024 自分を見くびらない)。しかしマーデンは、「座右の銘を選べ」(004)、「迷ったら前進せよ」(005)と背中を押します。

特に印象的なのが、ある若者の人生を変えたという一文です。

009 人生を変えた、たったひとつの文
「素晴らしいことができるのに、つまらないことをするのは、人間にとって最大の悲劇のひとつである」

日々の業務に追われ、自分の仕事の意義を見失いかけているビジネスパーソンにとって、これは胸に突き刺さる言葉ではないでしょうか。「自分は今、素晴らしいことをしているか?」と問い直すきっかけになります。

そして、その「素晴らしいこと」を成し遂げる原動力が「情熱」です(012)。

014 人生を最高傑作にする
大勢の人が人生の敗残者になってしまうのは、仕事に対する情熱がまったく足りないからである。

成功者と失敗者の違いは、能力や環境ではなく、「チャンスを待ち、成功者はチャンスをつくる」(017) という姿勢の違い、そして自分の仕事に情熱を燃やせるかどうかの違いなのです。

第2章:平凡と非凡を分ける「粘り強い努力」と「時間の使い方」

自分の可能性を信じたら、次に行うべきは「努力」です。しかし、マーデンが説く努力は、単なる根性論ではありません。

043 最後までやり遂げる
人生で何を成し遂げるにしても、才能よりも粘り強さが大切である。豊かな才能を持っているのに、粘り強さが足りないために人生の敗残者になってしまった人は数えきれない。

そして、多くの人が成功の直前であきらめてしまうと指摘します。

042 あともう少し粘る
多くの人は成功のすぐ手前であきらめる。
(中略)
苦しくなったときに、あとほんの少し粘り強さを発揮するかどうかが、成否を分けることを肝に銘じよう。

マーデンによれば、「天才とは『粘り強い人』の別名にすぎない」(046) のです。

この「粘り強さ」と並んでマーデンが重要視するのが、「時間の使い方」です。これは現代のビジネスパーソンにとって永遠の課題でしょう。

052 ふだんわずかな時間に何をするか
成功者と失敗者の主な違いは、時間と日々の使い方にある。
(中略)
わずかな時間でも積み重なると膨大な時間になる。ふだんわずかな時間に何をするかが、人生を形づくっていく。

マーデンは、鉄鋼王アンドリュー・カーネギーや蒸気機関車のジョージ・スティーブンソンといった、貧困から独学で成功を収めた偉人たちの例を挙げ(049)、「自分への投資は莫大な利益をもたらす」 と断言します。

050 一流の人と二流の人の違い
一流の人ほど時間を大切にする。彼らは、時間が人生を豊かにしてくれる貴重な資本だと考え、すき間時間を有効に活用して何をするかに人生がかかっていることを知っている。
一方、二流の人は(中略)娯楽に興じることを優先する。

忙しいことを言い訳に自己研鑽を怠っていないか。通勤時間、昼休み、寝る前のわずかな時間を、浪費していないか。マーデンの言葉は、私たちの日常の行動に鋭く切り込んできます。

第3章:キャリアを飛躍させる「人間関係」の築き方

どれほど個人の能力が高くても、ビジネスは一人ではできません。マーデンは100年以上前から、人間関係の重要性を説いています。その核となるのが「利他の心」です。

056 利他の心を養う
利他の心とは、自分のことより他人の幸福を願い、全力を尽くして人びとを助けようという純粋で誠実な気持ちのことだ。
(中略)
利他の心を持って善行を施すと、相手のためになるだけでなく、自分のためにもなるのだから。

自分の利益ばかり考え、他人を蹴落としてでも成功しようとする人間(100)は、一時的に成功したように見えても、人望を失い、真の幸福は得られないとマーデンは言います(060)。

そして、ビジネスにおける実利的な側面として、「礼儀正しさ」(065)「第一印象」(061) の重要性を強調します。

065 礼儀正しさを心がける
どんなに職業訓練を積んで高い能力を身につけても、礼儀正しさが欠けていると、大きな成功を収めることはできない。なぜなら、どれほど有能な人物でも、傲慢で無礼な態度をとると顧客や取引先から嫌われ、いつも不利な立場に立たされるからだ。

また、人を動かすリーダーや、同僚から信頼される人物になるための秘訣は、「ほめること」にあると説きます。

062 人を励ますことの力
偉大な思想家ラルフ・ワルド・エマーソンはこう言っている。
「私たちが人生で最も必要としているのは、自分に秘められた可能性に気づかせてくれる人である。もしそういう人がそばにいてくれるなら、おそらく誰でも偉業を成し遂げることができるだろう」

あなたは、部下や同僚に対して、あら探し(064, 070)ばかりしていませんか? それとも、彼らの可能性に気づかせ、勇気づける存在(063)でしょうか?

キャリアを築く上で、自分の「怒り」をコントロールすること(068, 071)も死活問題です。

075 癇癪を起こさない
すぐれた能力を持つ多くの人がうだつの上がらない人生を送っている理由のひとつは、イライラしたときに癇癪かんしゃくを起こすからだ。カッとなると取り乱して人前で醜態をさらし、それまで何年もかけて築き上げた信用を一瞬にして失うのである。

マーデンが紹介する事例(責任ある地位を目前に癇癪でチャンスを失った人)は、現代の職場でも容易に想像がつく光景です。「他人に怒りをぶちまけるのは、自分が相手よりも偉いと勘違いしている証拠である」(066) という一節は、すべてのリーダーが胸に刻むべき言葉です。

第4章:現実を創り出す「思考の力」を使いこなす

マーデン哲学のもう一つの大きな柱が、いわゆる「引き寄せの法則」です。彼は、思考が現実を創り出すと繰り返し述べています。

077 引き寄せの法則
引き寄せの法則とは、「似たものは似たものを引き寄せる」という普遍的真実のことである。
すべての思いは、それと似たものを引き寄せる。成功と繁栄を思い浮かべれば、いずれ成功と繁栄を引き寄せることができるが、失敗と貧困を思い浮かべれば、いずれ失敗と貧困を引き寄せるおそれがある。

079 思考が人生を形づくる
いつも自分は幸運な人間だと考えていると、実際にそうなることができる。
いつも自分は不運な人間だと考えていると、実際にそうなるおそれがある。

ビジネスパーソンが陥りがちなのが、ネガティブな口癖です。「どうせ無理だ」「ついていない」「景気が悪い」。こうした言葉が、まさにその現実を引き寄せているのです(082)。

083 いつも「できる」と言う
強くてポジティブな人はネガティブな話し方や考え方をしない。彼らは「できない」とは言わず、いつも「できる」と言う。自信を持って「できる」と言い、そのために努力するから、必ずできるようになる。

思考の力は、職場の雰囲気にも伝染します。マーデンが紹介する「不景気の商人の話」(099)は非常に示唆に富んでいます。
不景気で店がうまく行かず、商人も店員も暗い顔をしていたところ、ある日、商人が鏡に映る自分の陰気な顔に愕然とします。「これでは客が来るはずがない」と気づき、店員たちに明るい顔で接客するよう指示したところ、売上はみるみる改善した、という話です。

あなたの職場の雰囲気はどうでしょうか? 「笑顔は幸運を引き寄せる」(086) のです。

貧困や失敗の原因は、環境や才能ではなく、「心の中で自分の能力に限界を設定し、それを超えられないと思い込んでしまうこと」(085) にあります。
今すぐ「欠乏意識」(091)を捨て、「豊かさ意識」と「楽観主義」(093, 094)を持つこと。それが現実を変える第一歩です。

第5章:「人生と仕事を楽しむ」という最強のマインドセット

マーデンは、単なるストイックな努力家ではありません。彼は「人生を楽しむこと」の重要性を誰よりも強く説いています。

105 今ここで楽しむ
幸せになる唯一の方法は、人生を楽しむ小さな機会をそのつど活用することだ。より多くのお金がたまるまでとか、よりよい地位を手に入れるまで楽しみを延期すると、人生を存分に楽しめなくなる。
人生で最大の悲劇のひとつは、楽しみを延期することである。

「仕事が片付いたら」「昇進したら」「リタイアしたら」……そうやって楽しみを先延ばしにしているうちに、人生は終わってしまいます。

さらにマーデンは、人生の大部分を占める「仕事」そのものを楽しむべきだと説きます。

114 人間の最高の幸福とは
人間の最高の幸福は、自分が本来すべきこと、すなわち個性を活かして人生の大いなる目的を果たすために努力することによってもたらされる。

116 幸せを手に入れる唯一の方法
幸せを手に入れる唯一の方法は、誠実な気持ちで社会の役に立つ生き方をすることである。それ以外の生き方では人間は幸せになれない。

金儲け(110, 118)や、働かずに怠けていること(113, 114)に真の幸福はありません。自分の仕事を通じて社会に貢献し、そのプロセスに喜びを見いだすことこそが、最高の幸福なのです。

そして、その「楽しむ」姿勢=「快活な性格」は、成功のための強力な武器となります。

120 成功する人の条件
「人生で成功している人たちはいつも明るくて希望にあふれ、笑みを浮かべて仕事に取り組み、どんなにつらいことでも楽しいことと同じように立ち向かってチャンスを活かす」

123 明るい人は優位に立てる
シェイクスピアはこう言っている。
「快活な性格の人は一日中活動しても元気はつらつとしているが、陰気な性格の人はすぐに疲れて弱音を吐く」

「付き合う相手を厳選する」(124) ことも、このポジティブなマインドセットを維持するために重要です。意欲的で健全な野心を持つ人と付き合えば、自分も刺激され、高められます。

第6章:困難を突破する「揺るぎない信念」

人生やキャリアにおいて、困難はつきものです。その壁を突破する力が「信念」です。

127 信念を持つ
信念は奇跡を起こす素晴らしい力を持っている。
揺るぎのない信念があれば、心の中で設定していた限界を超えて、不可能だと思っていた目標を達成することができる。

多くの人が失敗するのは、能力が足りないからではなく、「自分を信じていない」(129)からです。面接で弱々しい態度をとれば採用されず(133)、自分の能力を疑えば幸運も逃げていきます(135)。

136 自分を徹底的に信じる
自分を見くびることほど、多くの人を押しとどめている要因はない。彼らは「自分はこんなものだ」と思い込んで、自分に限界を設定しているのだ。
(中略)
若者にひとつだけアドバイスをするなら、「自分を徹底的に信じなさい」と言いたい。

また、マーデンは「決断力」の欠如、すなわち「優柔不断」(138, 139)を厳しく戒めます。

138 迷わない
決断力のある人は、迷ったあげくに行動を起こさないより、ときにはミスをするほうがいいことを知っている。

逆境や試練(142)は、自分を鍛えるための絶好の機会です。貧しい境遇や困難(141, 143)があったからこそ、それを乗り越えようとする奮闘が人間を成長させるのです。

第7章:チャンスを掴む「幸運」の本質

「あの人は運がいい」と他人を羨むことはないでしょうか。マーデンは、幸運の本質を喝破します。

145 幸運にめぐまれる人の特徴
幸運は、良識を持って正しい判断をし、健全な野心を抱き、固い決意をし、猛烈な努力をして初めて訪れる。ふだん何もせずに自堕落な暮らしをしている人のところに幸運が訪れることはけっしてない。

幸運とは、「自助努力」(163) によって掴み取るものです。そして、そのチャンスを逃さないためには「準備」が不可欠です。

146 幸運の女神を逃さない
幸運の女神はすべての人のもとに訪れる。
(中略)
古代ローマの格言にあるとおり、幸運の女神は前髪しかなく、後頭部は禿げていることを肝に銘じよう。

チャンスが来たときに掴めるよう、日頃から準備(自己投資)をしておくこと。これこそが運の正体です。

逆に、幸運を遠ざける最大の敵は「心配」です。

147 心配性の解毒剤
多くの人は失敗に対する恐怖、病気に対する恐怖、貧困に対する恐怖(中略)におびえているのが実情である。
(中略)
起こらないかもしれないことを恐れる必要はない。勇気と希望と自信で心を満たそう。それが心配性を治す解毒剤だ。

心配はエネルギーを浪費し、能力を低下させます(148)。心配性の人は、起こりうる不幸な出来事を書き出してみるとよいでしょう。数年後に見返した時、そのほとんどが現実になっていないことに驚くはずです(149)。

ユダヤ系移民の子孫として差別を受けながらもイギリス首相にまで登り詰めたベンジャミン・ディズレーリの例(167)のように、「揺るぎない自信を持ち、強い決意を抱いて勇猛果敢に行動する人間に対して、世の中は最大限の敬意を表して道をゆずり」 ます。

第8章:リーダーと親に学ぶ「愛情と友情」

最後の章は、ビジネスパーソンにとって「リーダーシップ」や「家庭の重要性」として読み解くことができます。マーデンは、子供の育て方を通じて、人の才能を伸ばす極意を説いています。

204 子供にガミガミ言わない
子供にガミガミ言う親は、「立派な大人になってほしいという願いを込めて厳しくしつけている」と言って自分の悪い癖を正当化する。
(中略)
結局、親は腹を立てているにすぎず、子供は深く傷ついて、家庭内が不穏な空気になるばかりだ。

これは、上司と部下の関係にもそのまま当てはまります。良かれと思って(あるいは単に腹を立てて)部下を叱責し続けていないでしょうか。

205 子供をほめて励ます
男女を問わず、若い人は親にしつこく説教されるのをひどく嫌がる。彼らは自分をほめてほしいと願い、温かい励ましの言葉を求めているのである。

208 若い人に対する正しい指導法
たえず小言を言われ、落ち度を指摘され(中略)励ましてもらえないなら、従業員は深く傷つく。
(中略)
親や教師、上司、経営者といった責任のある地位に就いている者は、若い人の資質を見抜き、些細なミスには目をつぶって、ほめて伸ばす指導を心がけるべきだ。

ネガティブな指導は、部下の情熱を奪い、その才能の芽を摘んでしまいます。

また、子供に試練を与えることの重要性を説いた「サナギと蝶の寓話」(216)も強烈です。
サナギが蝶になる際、もがいているのを可哀想に思った友人が、殻を破るのを手伝ってしまいます。出てきた蝶は美しいものの、自力でもがくプロセスを経なかったために羽が十分に生育せず、飛ぶことができませんでした。

「自力で試練を乗り越えないと、能力を十分に開発できず、一人前の人間になれない」
これは、部下を甘やかし、困難な仕事から遠ざけ、手取り足取り教えすぎているリーダーへの警鐘とも言えます。

そして最後に、ビジネスパーソンが仕事に邁進する上で忘れがちな、基盤の大切さを説いています。

209 お金儲けより大切なこと
世の中にはお金を稼ぐよりもっと重要なことがあることを肝に銘じよう。
健康と家族と友情は、お金儲けより千倍も価値がある。

212 円満な家庭を築くことの重要性
(仕事の)過酷な労働のあとで(中略)家庭が憩いの場にならずに心がすさみ、熟睡できないので朝目を覚ましても疲れが残り、仕事に支障をきたすケースは無数にある。
(中略)
円満な家庭が人びとの心身の健康にどれだけ重要であるかは、いくら強調してもしすぎることはない。

仕事での成功も、それを支える心身の健康と円満な家庭があってこそなのです。

まとめ:あなたの人生を「最高傑作」にするために

オリソン・マーデンの哲学は、100年以上の時を経てもなお、私たちの心の奥底に眠る「とてつもない力」(001)を揺り起こします。

彼は、人生を「大理石」にたとえました。

038 人生という名の大理石
あなたは頭の中で抱いている自分のイメージに従い、たえず人生という名の大理石を刻みながら作品をつくっている彫刻家なのだ。

あなたの人生という作品は、他の誰でもない、あなた自身の「思考」と「行動」によってのみ創り上げられます。

本書『最高の人生を約束する 自分の磨き方』は、その彫刻刀の使い方を教えてくれる教科書です。どのページを開いても、あなたの現状を打破し、一歩前に踏み出すための勇気と知恵が詰まっています。

「迷ったら前進せよ」(005)
「やってみれば、きっとできる」(008)

まずはこの言葉を胸に、あなただけの「最高傑作」を刻み始めてはいかがでしょうか。

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王立図書館の司書
はじめまして、管理人の「ブックロウ」です。まるで物語に出てくるフクロウのように、夜な夜な本を読みふけるのが私のライフワーク。特に、仕事や人生のヒントが詰まったビジネス書・自己啓発書には目がありません。「本を読む時間はないけど、知識はアップデートしたい…」そんな悩めるあなたの為に、私が代わりに本を読み、明日からすぐ使える実践的なポイントや成功のエッセンスを分かりやすく解説します。千葉県東松戸のカフェでこのブログを書いていることが多いので、もし見かけたら気軽に声をかけてくださいね。皆さんの自己成長をサポートできることを、心から楽しみにしています。
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