自由と豊かさを築くための「お金の大学」:5つのステップで実現する資産形成術
本書『本当の自由を手に入れるお金の大学』では、経済的に豊かで自由な人生を送るための具体的なロードマップが示されています。大きく分けて「貯める」「稼ぐ」「増やす」「守る」「使う」の5つのステップを軸に、お金を味方につけて人生をより良くするための方法が解説されています。まずは固定費や保険の見直しによる支出削減から始め、続いて転職や副業で稼ぐ力を高め、そして株式や不動産などの投資を活用して資産を増やす。さらに、詐欺や過度な投機から資産を守り、最後は増えた資産を自分らしい豊かさのために使っていく。これら一連の流れを身につけることで、経済的に自由なライフスタイルを目指すことができるのです。
STEP0. お金持ちになるための大原則
本書の冒頭では、まず「経済的自由」を得るための大前提として、お金に対する正しい価値観が紹介されています。大切なのは、お金自体を目的化するのではなく、お金を人生の選択肢を増やす道具としてとらえることです。お金に振り回されるのではなく、自分の人生を主体的にコントロールする手段としてお金を上手に活用していく。これが経済的自由を手に入れるための土台となります。
また、「お金持ちの大原則」として以下のような考え方が示されています。
- 支出を抑えながら収入を増やす
単純な式に見えますが、着実にこの仕組みを回せるかどうかが重要です。 - 投資で資産を育てる
預貯金だけに頼らず、株式や債券など適切な投資商品でお金を増やすことが鍵。 - 余剰資金で自己投資も怠らない
お金だけでなく、自分のスキルや経験に投資していく姿勢が、さらなる収入アップにつながります。
本書では、「まず貯める→その後稼ぐ→さらに増やす」というステップを最初に確立することで、お金を「守る」力も身につき、最終的には自由に「使う」ことで人生に潤いをもたらすという流れが繰り返し語られます。
STEP1. 固定費の見直しで「貯める」
最初に強調されるのは、「貯める力」の重要性です。投資やビジネスに挑戦するためには、まず元手となる資金が必要です。しかし、日々の生活費が大きすぎると貯蓄がなかなか進まず、投資に回せるお金も限られてしまいます。そこで注目すべきは固定費の見直し。本書では以下の項目を中心に、具体的な削減手法が解説されています。
通信費
スマホ代やインターネット回線費は意外と高額になりがちです。特に、大手キャリアのプランを何となく継続している人は、格安SIMや適切なネット回線プランに乗り換えることで、月々数千円単位で支出を抑えることが可能です。たとえば、大手キャリアから格安SIMに替えるだけで年間数万円の節約になるケースも多々あります。
光熱費
電気やガスといった光熱費は、最近では自由化によりさまざまなサービスが登場しています。地域や利用状況に合わせて最適なプランを選ぶことで、毎月の支出を軽減することができます。自分の住む地域の電力会社やガス会社を比較検討し、複数の見積もりを比較してより安いプランを選ぶことが大切です。
保険
本書で特に強調されているのは、ほとんどの人は過剰な保険に加入しているという事実です。生命保険、医療保険、学資保険など、必要以上に手厚い保障をつけていると、月々の保険料は大きな負担になります。そこで以下のポイントをチェックする必要があります。
- 公的保険をまず確認する
公的保障である健康保険や高額療養費制度、遺族年金など、実はかなり充実した仕組みがあります。 - 本当に必要なリスクだけをカバーする
貯蓄代わりの保険や、実際には不要な特約をつけていないか見直す。 - 死亡保障が必要な人は定期保険に絞る
養うべき家族がいる場合は死亡保障が必要ですが、終身保険ではなく保険料の安い定期保険を選ぶことで、保険料を大幅に下げられます。
住居費
賃貸か持ち家か、よく議論になるトピックですが、本書では以下のようなポイントを挙げています。
- リセールバリューが高い物件を見極める
将来売る際に価値が落ちにくい物件を選べるなら、マイホームを検討する余地があります。 - 賃貸の交渉術を知る
仲介業者を複数当たって見積もりを取る、物件契約時に火災保険を見直す、引越し業者を比較するなど、小さな工夫で費用を削減できます。 - 安易に35年ローンを組まない
金利負担やライフスタイルの変化を考慮すると、大きなリスクを背負う可能性があるため慎重に判断が必要です。
車
車は維持費のかかる資産(実質負債)と言えます。本書では、「必要でないなら車は買わない」というメッセージがはっきり示されています。どうしても必要な場合でも、新車ではなくリセールの高い中古車を現金一括購入するのが理想的です。また、自動車保険も必要最小限に絞ることで、年間の保険料を抑えられます。
税金対策
サラリーマンや会社員にとって、税金対策はなかなかハードルが高く感じられます。しかし、医療費控除やふるさと納税、扶養控除など、意外に活用できる制度は多いのです。特にふるさと納税は、自己負担2,000円ほどで各地域の特産品が受け取れたり、自治体の支援に貢献したりできるため、書籍内でも非常に推奨されています。
STEP2. 収入アップで「稼ぐ」
支出を抑える土台ができたら、次は稼ぎを増やすステップに移ります。収入を増やすには、大きく分けて「転職」と「副業」の2つの選択肢が取り上げられます。
転職
本書によると、現代において「転職力」を身につけることは必須とされています。終身雇用が不透明になりつつある今、同じ会社に長く勤めれば安心という時代ではありません。自分の市場価値を常に意識し、条件の良い企業へ転職することで年収をアップさせることができます。
- 自己分析と情報収集が鍵
転職サイトやエージェントを活用しながら、自身のスキルや実績を客観的に把握する必要があります。 - 面接対策や職務経歴書のブラッシュアップ
何を売りにして企業に貢献できるのかを明確に伝えられるように準備を重ねることが大事です。
副業
会社に依存しきらない働き方をすることで、収入源を増やすメリットがあります。ただし、勤務先の就業規則に違反しない形で進める必要がある点は注意が必要です。本書では、「会社にバレない副業」の始め方も紹介されており、まずは小さく始められる方法として以下が例示されています。
- クラウドソーシング
ライティング、デザイン、プログラミングなど、専門スキルを活かせる案件をオンラインで受注する。 - 物販ビジネス
メルカリなどのフリマアプリを使って不用品を売り、利益を得る。仕入れ転売の手法もあるが、在庫リスクを考慮する。 - SNSでの情報発信
ブログやYouTubeなどで自分の得意分野の情報を発信し、広告収入やアフィリエイト収入を得る。
また、本書ではよりレベルの高い副業として、プログラミングやWebマーケティングなどの専門スキルを身につける道も提案されています。これらを活用することで、会社からの給与収入だけでなく、副業収入と合わせた複数の収入源を持つ状態を目指せるのです。
STEP3. 投資で「増やす」
支出が減り、ある程度稼ぎが増えたら、次は投資を通じて資産をさらに増やすフェーズに移ります。著者は、「貯金だけでは資産は増えない」と強調し、投資による資産形成の必要性を説いています。
投資を始める前の準備
- 生活防衛資金の確保
投資に回すお金とは別に、失業や病気などの非常事態に備える資金を確保しておくことが大切です。 - 相場を知ること
いきなり投資商品を買うのではなく、市場動向や基本的な経済の仕組みを理解しておく必要があります。 - 投資商品の種類を知る
株式、債券、投資信託、不動産など、それぞれの特徴とリスクを把握した上で選択することが大事です。 - 複利効果の理解
投資の強みである複利効果を理解することで、長期的な資産形成のメリットを実感できるようになります。
株式投資
著者が特に勧めているのがインデックスファンドへの投資です。インデックスファンドは、特定の株価指数(たとえば日経平均やS&P500など)に連動する運用を行う投資信託で、分散が効きやすく手数料も比較的低いのが特徴です。タイミングを図るよりも、ドルコスト平均法による定期的な積立投資を行うことで、市場の上げ下げに左右されにくい安定的なリターンを狙えます。
また、増配・高配当株に投資して配当金を再投資する手法も紹介されています。配当金は株価の値上がりに関係なく入ってくるため、不労所得の一部として扱いやすく、キャッシュフローを得ながら長期保有する魅力があります。
不動産投資
不動産投資も有力な選択肢として挙げられますが、知識がないまま高額なローンを組むと大きなリスクを負う可能性があります。本書では、不動産投資を始める際のポイントとして、以下が示されています。
- 相場や物件調査を徹底する
立地や家賃相場をしっかり把握し、表面利回りではなく実質利回りを検討。 - 信頼できる不動産会社の見極め
過大広告や不当な手数料を避けるため、複数の業者や物件を比較検討する。 - 少額投資型不動産商品への分散投資も検討
最近はREIT(不動産投資信託)やクラウドファンディングなど、少額からの参入が可能なサービスも増えています。
やってはいけない投資
本書では、先物やFXのハイレバレッジ取引、仮想通貨の短期投機など、短期で大きく稼ごうとする投資は避けるよう警鐘を鳴らしています。大きな利益の可能性がある反面、資金を一気に失うリスクも高いからです。安易に高リスク商品に手を出さず、まずはインデックス投資などの堅実な選択肢から始めることが推奨されています。
STEP4. 「守る」力で資産を失わない
いくら資産を増やせても、詐欺やトラブルに巻き込まれて大損してしまっては元も子もありません。本書では「守る力」として、以下の点を意識するように促しています。
- 詐欺や情報商材への注意
「必ず儲かる」「絶対に損しない」などの甘い言葉には裏がある可能性が高い。必ず複数の情報源を確認し、冷静にリスクを検討する。 - 自分のリスク許容度を理解する
投資であっても、レバレッジをかけすぎたり無謀な融資を受けたりしないよう、常に資産全体のバランスを見ながら行う。 - 法律や制度への知識を持つ
税金や契約書の内容などをきちんと把握しないまま行動すると、後から予想外のトラブルに巻き込まれるリスクが高まります。
STEP5. お金を「使う」ことで人生を豊かに
本書が目指すゴールは、お金を増やすことそのものではなく、人生を豊かにすることにあります。増やした資産をどのように使うかは人それぞれですが、著者は以下のような考え方を提案しています。
- 経験や自己成長に投資する
語学留学やセミナー参加、資格取得など、自分を高めるためにお金を使うことで、さらに収入を増やすチャンスが広がります。 - 大切な人やコミュニティのために使う
家族や友人との時間を充実させる旅行やイベント、社会貢献活動への寄付など、お金の使い道で人生の満足度が変わるといっても過言ではありません。 - 自分の好きなことに情熱を注ぐ
お金のためだけに働くのではなく、自分の興味や趣味を究めることで、人生に彩りを加えることができます。
本書のエピローグでは、これまでのステップを踏んだ先にある「経済的自由」をどのように活かしていくかが語られます。時間的・精神的な余裕を得た人は、さらに新たな挑戦に踏み出せるようになり、結果としてさらに自由度の高いライフスタイルを確立できるというメッセージです。
まとめ
『本当の自由を手に入れるお金の大学』は、お金に関する知識や具体的な実践法を示すだけでなく、「そもそもお金とは何か」「お金をどう活かして人生を自由にするか」という根源的な問いにも答えてくれる一冊です。以下のようにステップを踏んでいくことで、堅実かつ着実に資産形成とライフスタイル向上を両立できます。
- 固定費の見直しで支出を削減し、貯蓄体質をつくる。
- 転職や副業などで収入源を増やし、稼ぐ力を高める。
- 株式や不動産など適切な投資商品を選び、長期的に資産を増やす。
- 詐欺や過度な投機から資産を守り、リスク管理を徹底する。
- 豊かになった資産を自分や大切な人、社会のために活用する。
こうした5つのステップを回し続けることで、自分の人生をより自由にデザインできるようになります。お金の知識を身につけることは、単にお金を増やすためではなく、「やりたいことを選べる人生を手に入れるため」の方法であると本書は繰り返し強調しています。どのステージから始めても遅すぎることはなく、まずは一歩を踏み出し、小さな成功体験を重ねることが大切です。
自分の「お金の大学」は、まさに人生を変えるきっかけともいえる学びの場。ぜひこの書籍で得た知識を活かし、より豊かな未来に向けて行動を始めてみてはいかがでしょうか。