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読書でキャリアを深める!齋藤孝『読書する人だけがたどり着ける場所』から学ぶ、忙しいビジネスパーソンのための思考力・教養アップ術

ヒガマツコ

本記事では、齋藤孝氏の著書『読書する人だけがたどり着ける場所』をもとに、情報があふれる現代社会において、なぜ読書が忙しいビジネスパーソンにとって重要なのかを解説します。ネットの情報収集とは異なる読書の価値、読書を通じて得られる思考の「深さ」、知識、人間的成長、そして具体的な読書術や名著に触れながら、読書がいかに私たちのキャリアと人生を豊かにするかを紐解いていきます。

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本書の要点

  • インターネットの情報収集は「消費」であり、読書は深い「体験」として人格形成に影響を与える。
  • 読書は思考力、コミュニケーション能力、認識力を高め、人間的な「深み」を育む。
  • 一流の著者の視点や思考プロセスに触れることで、自身の認識力を磨き、多角的なものの見方ができるようになる。
  • 情報としての読書と人格としての読書を両立させ、知識を深め、思考力を鍛え、人間性を豊かにすることができる。
  • 難しい本や古典にも臆せず挑戦し、多様な読書体験を積み重ねることが、人生をより豊かにする。

なぜ今、多忙なビジネスパーソンに「読書」が必要なのか?

「情報はネットで十分」「忙しくて本を読む時間がない」――現代のビジネスパーソンから、そんな声が聞こえてきそうです。確かに、スマートフォン一つで膨大な情報にアクセスできる時代。しかし、著者の齋藤孝氏は、そんな時代だからこそ 「いまこそ本を読むべきだ」 と警鐘を鳴らします。

ネット情報と読書の違い:あなたは「消費者」か「読者」か?

私たちは日々、ネットニュースやSNSを通じて大量の文字情報に触れています。しかし、齋藤氏は、ネットで文章を読むことと本を読むことには 「向かい方」に重大な違いがある と指摘します。

ネット上の情報は、次から次へとより刺激的なものを求めて消費されがちです。集中力は途切れやすく、一つのコンテンツにじっくり向き合う時間は短くなっています。マイクロソフトの調査では、現代人の集中できる時間は2000年の12秒から8秒に短縮し、金魚の9秒よりも短いという衝撃的なデータも紹介されています。 このような情報の接し方では、私たちは「読者」ではなく、情報を一方的に選び、切り捨てていく 「消費者」 になってしまうと齋藤氏は言います。 消費するだけでは知識は積み重ならず、人生が深まることもありません。

一方、読書は著者と一対一で向き合い、じっくりと対話するような行為です。 たとえ退屈な部分があっても辛抱強く読み進めることで、その内容は 「体験」として深く刻み込まれます。 読書で登場人物に感情移入しているときの脳は、実際に体験しているときの脳に近い動きをするとも言われています。 この「体験」こそが、人格形成に大きな影響を与えるのです。

「読書時間ゼロ」の大学生が示す未来への懸念

齋藤氏が大学で教鞭をとる中で目の当たりにしたのは、「読書時間ゼロ」の大学生が過半数を超える という現実です(第53回全国大学生活協同組合連合会による学生生活実態調査)。 これは、将来を担う世代が、深い思考や教養を育む機会を失っている可能性を示唆しており、齋藤氏は強い危機感を抱いています。

ビジネスパーソンにとっても、この問題は他人事ではありません。表面的な情報処理能力だけでは対応できない複雑な課題に直面したとき、あるいは新しい価値を創造しようとするとき、読書を通じて培われる深い洞察力や思考の柔軟性が不可欠となるからです。

読書がもたらす「深さ」とは?ビジネスにおける真の価値

本書が繰り返し強調するのは、読書が人に「深さ」をもたらすという点です。では、その「深さ」とは具体的に何を指し、ビジネスパーソンにとってどのような価値があるのでしょうか。

「深い人」と「浅い人」を分けるもの

齋藤氏は、質問の質や会話の内容によって、その人が「深い」か「浅い」かがわかると言います。 「浅い」質問は表面的な回答で終わりがちですが、「深い」質問は相手の思考を刺激し、実りある対話を生みます。 この差は、単なる知識量の問題ではなく、 物事の本質を捉え、統合し、血肉となった「教養」の有無 によると齋藤氏は分析します。

例えば、幕末の偉人・西郷隆盛は、多くの本を読み、特に儒学者・佐藤一斎の『言志四録』を熟読することで、その人格を培ったと言われています。 読書によって知識を深め、思考を深め、人格を深めること。これが「深い人」への道なのです。

コミュニケーション能力は「認識力」で磨かれる

ビジネスシーンにおいて、コミュニケーション能力の重要性は論を俟ちません。齋藤氏は、深いコミュニケーションの根底には 「認識力」 があると説きます。 相手の状況や感情、言葉の裏にある文脈を正確に読み取る力です。

文学作品には、人間の複雑な感情が巧みに描かれています。 これを読むことで、私たちは多様な感情を感じ取り、言語化する能力を養うことができます。 例えば、「期待しているよ」という一言でも、文脈によって「信頼している」という意味にも、「最後のチャンスだ」という意味にもなり得ます。 こうした機微を理解する認識力が、円滑で生産的なコミュニケーションを可能にするのです。

「魅力的な人」は読書でつくられる

外見の美しさが注目されがちな現代社会ですが、齋藤氏は、真に「魅力的な人」とは、 話が面白く、深いコミュニケーションができ、人間性が高く、深みのある人 だと述べます。 平安時代の恋愛では、顔を合わせる前に手紙のやり取りで相手の教養や人柄に惹かれたように、人間は文化を通じて美しさ以外の魅力で人を惹きつけることができるのです。

そして、その深みは読書によって育まれると齋藤氏は強調します。 日常が浅いコミュニケーションに終始しがちな現代人でも、 寝る前の1時間を読書にあてるだけで、突如として深い時間を過ごすことができる のです。 この「突如深くなる」感覚が、人を魅力的に変えていくのかもしれません。

ビジネススキルを飛躍させる!齋藤孝流「深める」読書術

読書がもたらす「深さ」は、観念的なものだけではありません。ビジネスに直結する思考力や知識の獲得にも大きく貢献します。本書で紹介されている具体的な読書術を見ていきましょう。

一流の「認識力」をインストールする読書

剣豪・宮本武蔵の『五輪書』や、能を大成した世阿弥の『風姿花伝』。これらの古典には、それぞれの道を極めた人物の 卓越した「認識力」 が凝縮されています。

武蔵は、剣術の技を細部にわたって言語化し、それを普遍的な境地へと昇華させました。 世阿弥は、観客を魅了し続けるための深い洞察を「秘すれば花」といった言葉で表現しています。 ジャパネットたかたの創業者である髙田明氏が、世阿弥の教えに自身の経営哲学との共通点を見出したように、 一流の人の認識は分野を超えて通底するものがあります。

これらの著作を読むことは、単に情報を得るだけでなく、彼らがどのように物事を捉え、思考し、表現したのか、そのプロセスを追体験することに他なりません。これにより、私たちは自らの認識力を磨き、物事を多角的・本質的に捉える力を養うことができるのです。

「思考力を深める」読書テクニック

齋藤氏は、思考を深めるための具体的な読書テクニックをいくつも提案しています。

  • 自分に引きつけて考える: 『星の王子さま』を読み、王子さまのバラや狐が自分にとって何にあたるかを考えるように、物語を自分の経験と結びつけることで、思考は深まります。 はっとした部分をメモしておくことも有効です。
  • 感情をのせて読む: 発酵学者の小泉武夫氏が発酵食品を愛するように、対象に感情を込めて読むことで、思考は活性化します。 ファーブル昆虫記に興奮した子どもの頃のように、著者の驚きや感動を追体験しましょう。
  • 対話やレビューを活用する: 読んだ本について人と話したり、ネット上のレビューを読んだりすることで、新たな視点や気づきが得られ、思考が深まります。 齋藤氏自身も中学生の頃から友人と本について語り合うことで思考を訓練した経験を紹介しています。
  • ポップを書いてみる: 本の魅力を短いキャッチコピーで表現しようとすることで、その本質を捉え直す作業になり、思考が整理されます。
  • 好きな文章を3つ選ぶ: 本の中から特に心に響いた文章を選ぶという行為自体が、能動的な読みとなり、思考を深める助けとなります。
  • ニーチェにもツッコミを: 偉大な著者の言葉であっても、鵜呑みにせず「そんなわけないだろ!」とツッコミを入れながら読むことで、批判的思考力が養われます。
  • 予測読み: 次の展開を予測しながら読むことで、思考の回転が速まり、内容への集中力も高まります。予想が裏切られるのもまた一興です。

これらのテクニックは、読書を単なる情報摂取から、能動的な思考訓練へと変える力を持っています。

「知識を深める」読書戦略

知識を効率的に、そして深く身につけるための戦略も重要です。

  • 知識は細胞分裂のように増える: 最初は効果を実感しにくいかもしれませんが、ある程度の量が積み重なるると、知識同士がつながり始め、加速度的に吸収力が高まります。
  • 1テーマ5冊読めば「ランクA」: あるテーマについて深く知りたい場合、関連書籍を5冊程度続けて読むと、その分野の知識が格段に深まります。 齋藤氏はこれを「ペンキの上塗り方式」と呼び、最初は雑でも繰り返すことで知識が定着すると説きます。
  • 「つながり」を意識する: 読んだ本の内容を人に話したり、他の知識と関連付けたりすることで、知識は生きたものとなり、自在に取り出せるようになります。 古典を現代の状況に置き換えて考えるのも有効です(例:『孫子の兵法』を現代の子どもの悩みに応用する)。
  • ベストセラーや話題書も活用する: 流行っている本は、その時代の空気感を反映しており、ブームに乗って読むことで知識の吸収度が高まることがあります。 トマ・ピケティの『21世紀の資本』のような難解な本でも、旬な時期に主要な部分だけでも触れておく価値があります。
  • 図鑑や百科事典で全体像を掴む: 図やイラストが豊富な図鑑や図解シリーズは、特定の分野の全体像を素早く把握するのに役立ちます。

これらの戦略を意識することで、忙しいビジネスパーソンでも効率的に知識を血肉に変えていくことができるでしょう。

人間力を高め、キャリアを豊かにする読書体験

読書は、スキルや知識の獲得だけでなく、人間的な成長や人生観の深化にも貢献します。これらは、長期的なキャリア形成において非常に重要な要素です。

偉大な人格に触れ、自らを高める

孔子や福沢諭吉といった偉人たちは、読書を通じて自らの人格を磨きました。 福沢諭吉の『福翁自伝』を読むと、彼のカラリとした人間性や学ぶことへの純粋な情熱に触れ、清々しい気持ちになります。 詩人・中原中也の作品からは、その繊細かつスケールの大きな感性が伝わってきます。

これらの 「器の大きな」人々の著作に触れることは、私たち自身の人格を深める貴重な機会 となります。 彼らの生き方や考え方を知ることで、目先の成功や利益だけではない、より大きな視点から物事を捉えることができるようになるでしょう。

文学を通じて「人生の機微」に触れる

太宰治の『人間失格』や『女生徒』、夏目漱石の『こころ』、中勘助の『銀の匙』といった文学作品は、登場人物の悩みや葛藤、喜びや悲しみを通じて、人生の複雑さや奥深さを教えてくれます。

例えば、太宰治の『眉山』という短編小説では、経済的な成功や勝ち負けとは無縁の世界で生きる人々の姿が描かれ、読者に人生の深みについて考えさせます。 齋藤氏は、 文学の世界に浸ることで、「勝ち組」「負け組」といった浅薄な価値観がいかに下品なものだったかと気づかされる のではないかと問いかけます。

また、ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』やヴィクトール・フランクルの『夜と霧』は、「生きるとは何か」という根源的な問いを私たちに突きつけます。 フランクルは、強制収容所という極限状況下で、「私たちが生きることから何を期待するかではなく、むしろひたすら、生きることが私たちから何を期待しているかが問題なのだ」という境地に至りました。 このような作品に触れることで、私たちは 人生の意味を自ら問い直し、困難に立ち向かう力を得る ことができるのです。

東洋の古典に触れ、アイデンティティを確立する

齋藤氏は、日本人が「東洋人である」というアイデンティティを持ちにくいのは、東洋の古典や精神文化に馴染んでいないからではないかと指摘します。 『論語』や老荘思想、仏教といった東洋の叡智に触れることは、 自らのルーツを理解し、精神的な支柱を確立する上で非常に重要 です。 これらの古典は、現代社会の喧騒から離れ、物事の本質を見つめ直すための示唆に富んでいます。

読書を習慣化し、人生の可能性を広げるために

読書の重要性は理解できても、忙しい日々の中で習慣化するのは難しいと感じるかもしれません。しかし、齋藤氏は、 本を読むのに特別な才能は必要ない と断言します。

難しい本への挑戦が集中力を鍛える

齋藤氏は、集中力を鍛えるために、 あえてレベルの高い本から挑戦する ことを勧めています。 最初は苦労するかもしれませんが、読み切ることで自信がつき、その後の読書が格段に楽になります。 読書で培われた集中力は、仕事や他の活動にも必ず活きてきます。

多様なメディアとの連携で読書世界を広げる

『源氏物語』を漫画『あさきゆめみし』で親しんだり、小説の映画化作品を観たりするように、 本・漫画・ドラマ・映画などをグルグル回しながら楽しむ ことで、それぞれの世界の理解が深まります。 これらは対立するものではなく、相互に補完し合い、私たちの知的好奇心を満たしてくれるのです。

「わからない」を楽しむ心の余裕を持つ

すべての本を完璧に理解する必要はありません。齋藤氏は、 「わからない」ところがあっていい と言います。 特に難解な作品や古典は、読むたびに新たな発見があるものです。 すぐに答えが出ない「もやもや感」もまた、読書の楽しみの一つと捉えましょう。

古典の名言ピックアップ読みで気軽に触れる

『ハムレット』の「生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ」のように、古典には有名な言葉が散りばめられています。 まずはそうした 名言を見つけることを目的に読む「ピックアップ読み」 も、古典に親しむための一つの方法です。

おわりに:読書という「どこでもドア」で、まだ見ぬ場所へ

齋藤孝氏は、歌手のJUJUさんの言葉を引用し、 「本っていうのはドラえもんのどこでもドアみたいなもの。その本がそれぞれの世界に連れていってくれる」 と述べています。

情報が瞬時に手に入る現代において、あえて時間と手間をかけて一冊の本と向き合う。それは、ネットサーフィンでは決して得られない深い思考、豊かな感性、そして揺るぎない人間的成長へとつながる道です。

忙しいビジネスパーソンにとって、読書は最高の自己投資であり、人生を何倍にも豊かにしてくれる「体験」です。本書『読書する人だけがたどり着ける場所』は、その第一歩を踏み出すための羅針盤となるでしょう。さあ、あなたも読書という名の冒険に出かけ、まだ見ぬ「深さ」に満ちた場所にたどり着いてみませんか。

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地元・千葉県東松戸に住み、東松戸をこよなく愛するヒガマツコが運営するサイト「ヒガマツBooks」では、ビジネス書や自己啓発書を中心に書籍の要点を効率的に紹介しています。学生時代から読書に親しみ、短時間で要点をつかむスキルを磨いてきました。このブログでは、ビジネスや自己成長に役立つ本の重要なエッセンスを凝縮し、実践的なヒントや成功事例とともにわかりやすく解説。忙しい毎日でも効率よく学べるよう工夫した要約記事を日々更新しています。私のミッションは「本から得られる知識を通じて、より良い人生と成功をサポートすること」。趣味は飲食店巡りと運動で、新たな知識や視点を取り入れるのがモットー。今後は動画やSNSとも連携し、多くの方に読書の楽しさとビジネススキル向上の機会を届けるべく、日々新たな挑戦を続けています。
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